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アバンレポートAVANT Report

2017.09.04

都市公園の新たな利活用について

 人口減少と高齢化社会への対応として、また自動走行技術の急速な開発によって「次世代モビリティ」というテーマが大きく浮上してきている。社会の変化が新しいモビリティ(移動手段)を必要とし、同時に技術革新が都市と生活を変えていく。次世代モビリティをめぐるさまざまなテーマを概観し、これから 始まろうとする大きな変化と、それに向けたアバンアソシエイツの取り組みを紹介する。

都市公園ストックの利活用による、まちづくりの課題解決への期待

 AR022_1現在、公共施設等のストックをいかに持続可能な形で維持更新させていくかが都市の一つのテーマである。全国で約10万ヵ所、12万haを有する都市公園も例外ではなく、老朽化や財政的な制約、更には魅力の低下や治安の心配など様々な課題を抱えており、適切な維持管理の方策が求められている。

 2017年、様々な役割を担っている都市の緑空間を、民間の知恵や活力をできる限り活かしながら保全・活用していくため、都市公園法などの関連6法を改正する法律及び関係政省令が施行された。

 これによる『Park-PFI制度』(下枠内参照)の創設により、都市公園におけるPPP/PFI手法が拡充され、都市の課題解決や地域の魅力アップへ向けた官民連携による公園の利活用の検討が全国各地で始まっている。民間事業者の資金とノウハウが、より積極的に活用されることに期待が寄せられている。

 また、政府の「PPP/PFIアクションプラン(平成29年改訂版)」の「公的不動産における官民連携の推進」においても、「公園におけるPPP/PFI手法の拡充」が具体的な取り組みとして新たに位置付けられている。AR022_6

 

先進プロジェクト等にみる利活用の方向性について

 新制度創設の前からも、都市公園における官民連携手法の活用は模索されてきた。

 駒沢オリンピック公園では、都市公園初の取り組みとして、公園内において店舗デザイン・建築から運営までを一貫して行う民間事業者が公募され、2017年3月より事業が開始された。民間事業者のセンスにより快適性・利便性を向上させるタイプである。

 大阪城公園パークマネジメント事業は、大阪市が、指定管理者制度を活用して公園内の複数の施設を一括して維持管理運営する企業を選定。民間事業者の独立採算事業として、市は指定管理料を支払わず、民間事業者が公園施設の改修や新築、整備も実施することを可能にした(2017年度より事業開始)。民間ノウハウにより集客と収益性の改善を目指すタイプである。

 今回の改正は、建蔽率や収益性の向上などの大幅な緩和を盛り込みながら、このような官民連携による都市公園の利活用を明確に制度化したものとなっている。

 

鹿島グループの総合力を生かした都市公園の取り組みへの参画

AR022_2 鹿島グループによる都市公園へのこうした取り組みとしては、「横須賀市長井海の手公園整備事業」(2003年事業開始)が、PFI法にもとづいて都市公園を整備したわが国初の実績である。体験型総合公園として、農業や動物とのふれあいなど、多彩な体験プログラムやアスレチック遊具などが人気となり、年間50万人を超える人が来場している。

 

 

 

 

AR022_3 近年では、「豊島区庁舎跡地計画」において、設計・建設・工事管理の役割を担い、再整備される劇場施設と都市公園を一体化した開発によって、新たな文化にぎわい拠点の創造にも関与している。

 

 

 

 

 

 

AR022_4 海外においても、最優秀に選出されたシンガポールの「ジュロンレイクガーデン国際コンペ」では、鹿島グループのランドスケープデザイン社が公園デザインの基本計画を担い、技術研究所の水質浄化・植物工場、環境本部の再生可能エネルギーの利用等の環境エンジニアリング技術を提案し、あわせて、アバンアソシエイツの官民連携によるエリアマネジメントのノウハウを融合した提案となっている。

 

 

 

 このように、鹿島グループは、土木、建築、景観デザイン、造園、施設管理・運営等、幅広い分野のノウハウの蓄積と総合力によって、これからの都市公園の新たな利活用に十分に応える用意ができている。その中でアバンアソシエイツは、まちづくりや 公共施設マネジメントの知見を活かしながら、プロジェクトの創出と実現に向けたプラットフォームの役割を担うことを目指している。

 

パークマネジメントからエリアマネジメントへ

AR022_5 現在、公園というオープンスペースが、家と職場に続く第3の場所“サードプレイス”として改めて見直されており、地域住民自らが自分たちの心地よい居場所とすべく公園管理を行う“市民参加型パーク マネジメント”の取り組みが広がりを見せている。こうしたパークマネジメントを核とした交流は地域全体のコミュニティ活動にも大きな貢献をはたし、エリアマネジメント全体へ波及していくことになる。

 これからの都市公園が、地域住民と行政のさらなる関与のもとに民間事業者のノウハウを結集して、都市に魅力をもたらす空間として再創造されていくとき、アバンアソシエイツはエリアマネジメントの強みを活かして貢献できると考えている。

 

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