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アバンレポートAVANT Report

2018.10.29

LRT整備を契機とした「民間主導のまちづくり」への取り組み

 宇都宮都市圏は、戦後進出した企業と地元が共存しながら発展を遂げ、関東圏随一の独立都市圏を形成している。LRTの導入を契機として企業と地元が結集し、栃木県内の7市7町※を対象とした民間発意による「一般社団法人 県央まちづくり協議会」が発足した。産官学民一体のまちづくり推進プラットフォームとして、国土交通省の「民間まちづくり活動促進・普及啓発事業」の助成も受け、調査・研究の場を提供し、政策提言、研究会・報告会などを開催している。アバンアソシエイツは、協議会運営のアドバイザー業務、協議会活動の企画運営業務等を通じて、県央のまちづくりに携わっている。

 

日本初の全線新設のライトレールを軸としたまちづくり

AR027_a 車依存傾向の強い栃木県において、宇都宮市は新たな交通体系に基づく「ネットワーク型コンパクトシティ」の実現を目指している。人口構造の変化、市民サービスの多様化への要請と、安全・安心な暮らしへの希求、環境問題や財政的課題への対応等、地方都市が抱える問題解決のために「次世代型路面電車(LRT)整備を軸とした公共交通の再編と持続可能なまちづくり」に取り組む。わが国初となる全線新設のLRTは、宇都宮市と芳賀町の先行整備区間で2022年3月の開業を予定し、拠点整備と交通体系見直し等によって域内交通の効率化を図ろうとしている。

 LRTの導入は、公共交通利用の利便性・快適性の向上だけでなく、商業活性化や再開発の促進等、地域経済にも資するとされる。その期待効果が喧伝され、県央の都市のあり方にもインパクトを与えることから、LRT沿線のみならず、県央を走るJR各線、東武鉄道の沿線まちづくりに対する期待も高まっている。

 

 

民間主導のまちづくり団体「一般社団法人 県央まちづくり協議会」

AR027_c 2017年10月、「一般社団法人 県央まちづくり協議会」が発足。11月の設立総会では、会員企業や関係行政の首長、まちづくり団体等が交流の機会を持った。

 協議会は、「県央の交通インフラの変貌を契機として、個人や団体の垣根を超えて“とちぎ”をさらに良くする新たなまちづくりを推進するため、調査・研究・報告の場を提供し、県央のグランドデザインを検討、提言、実現する」ことを目的に掲げ、企業間の連携・行政や市民との連携を図り、新たな事業機会を探索する。事業の拡大や地域ブランドアップへの期待等、多様な動機から協議会に参加する企業は、発足時の40社から70社を超え(2018.10現在)、人口減少と激化する都市間競争を生き残るための「県央まちづくりグランドデザイン」策定に向けて活動を開始している。

 一般社団法人としての協議会は、最高決定機関としての総会、理事会、事務局のほか、会員を組織し、協議会運営の企画と実施を支援する企画運営委員会で構成されている。

 アバンアソシエイツは、宇都宮大学とともに運営アドバイザーとして運営委員会に参加すると同時に、協議会主催の活動の企画と実施の支援を行っている。

 

 

協議会の活動:域外リソースを巻き込む発展的事業スキーム

AR027_d 協議会は、県央まちづくりの推進プラットフォームとして、会員企業と市民や行政・まちづくり団体も参加する「普及啓発事業」、企業間の情報共有と実践活動のための「企業間連携事業」を実施し、行政への提言と市民啓発を目的とした「情報発信事業」を推進している。

 また、会員企業間や行政等との連携によるまちづくり 事業の事業化、鉄道沿線自治体等との広域まちづくりの 実践、さらには栃木への進出企業の本社をも巻き込んだ 域外連携の促進により、県央の活性化を目指している。

 

 

 

 

 

県央まちづくりグランドデザインの策定と提言、企業間連携の促進

 協議会では、民間主導のまちづくりを推進するため「県央まちづくりグランドデザイン」の策定と、企業間連携によるまちづくりプロジェクトを活動の軸に位置づける。
グランドデザインは、会員企業や市民を対象とするまちづくりワークショップ等の成果を基に、民間発意のまちづくり構想としてまとめられ、関係行政への提言、フォーラムや広報媒体を通じて県央のまちづくりイメージの共有、意識啓発にも活用される。会員企業間の連携、行政や市民との連携促進のための活動としては、外部講師を招くセミナー形式の情報交流サロン、会員企業によるまちづくり事業の取り組み・意見交換の場としてのマッチング会議を開催している。

 

まちづくりワークショップの実施(国交省民間まちづくり促進事業・普及啓発事業)

AR027_e ワークショップ等の開催については、国交省の「民間まちづくり 活動促進事業」の補助を受けて実施している。当該補助事業は、①都市の課題解決をテーマとし、②多様な関係者を巻き込んだワークショップ等により、③継続性のある活動を実践する人材の育成を図る仕組みを構築・運営し、④優れたまちづくり活動の普及啓発を行う事業が対象とされる。協議会では、宇都宮大学とも連携して企業と市民向けに「まちづくり教室・ワークショップ」を開催し、行政や他のまちづくり団体等を含む交流の促進、企業者や学生を対象としたまちづくり人材の育成、継続的な活動プログラムの構築と運営に取り組んでいる。

 

 

 

アバンアソシエイツのまちづくりへの取り組みスキーム

AR027_f 協議会発足の直後は、活動の早期立ち上げと同時にその運営基盤を確立する必要があり、企画運営委員会がその重責を負っていた。そこで当社は、国交省補助事業への申請を委員会に提案し、協議会と会員企業・アドバイザー企業とともにJVを組成して選定された。国からの助成は活動予算を得られるだけでなく、企業や行政から協議会への信頼と会員獲得にも繋がり、個別プロジェクトの始動をも後押ししている。

 一員として関係各社とまちづくりに携わる行政や地域企業等とを橋渡しし、県央まちづくり協議会への協力を通じて、今後も栃木のまちづくりや各鉄道沿線プロジェクト等の取り組みを支援していきたいと考えている。

 (野口 創史)

 

 

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