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アバンレポートAVANT Report

2015.10.30

AVANT report Vol.016

人口減少社会の地域構造 ~ コンパクト+ネットワーク

 2050年の我が国では、現在の居住地域の6割以上の地点で人口が半分以下に減少し、高齢化率が4割に至ると推計される。特に地方都市では、一旦拡大した市街地が虫食い状に低密度化し、一定の人口密度で支えられてきた医療・福祉・商業等の生活サービス関連施設が成り立たなくなると共に、公共施設やインフラの維持管理費用の増大や固定資産税の減少による自治体財政の逼迫が予想される。
 そこで、車の運転が困難な高齢者でも安心して日常生活が送れ、持続可能な都市運営が自治体財政への負荷の軽減につながるよう、公共交通結節点等の地域拠点へ日常生活に必要な都市機能を集約化し、歩いて暮らせるコンパクトなまちに再編してゆくと共に、交流人口の取り込みによる地域活力の維持向上につながるよう、地域拠点間を公共交通主体にネットワーク化してゆくことが重要になっている。

 

「コンパクト+ネットワーク」の形成に向けた国の施策

 人口減少社会に対応した地域構造の形成に向けた国の施策として、平成26年7月に国土交通省より「国土のグランドデザイン2050」が発表された。ここで掲げられた「コンパクト+ネットワーク」の考え方による国土・地域づくりの具体化に向けた制度として、「立地適正化計画」を通した都市のコンパクト化や、「地域公共交通網形成計画」を通した地域拠点間のネットワーク化が推進されることとなり、各自治体での計画策定が急務となっている。
 又、この様なコンパクト施策と公共施設再編との連携として、総務省主導で各自治体による「公共施設等総合管理計画」や公会計制度改革に伴う「固定資産台帳」の整備が進められている。
 更に、医療・福祉との連携として、厚生労働省主導で2025年を目処に医療・介護・予防・住まい・生活支援の一体的提供を目指す「地域包括ケアシステム」の構築が推進されるなど、多分野連携の試みが成されている。
 加えて、地方創生を目指して平成26年12月に策定された 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、関係省庁連携型の組織である「コンパクトシティ形成支援チーム」が設置され、公共交通、中心市街地活性化、医療・福祉、公共施設再編等、自治体における諸施策横断的な計画づくりに対する支援体制が整えられつつある。
 各自治体は、こうした国による数々のコンパクト施策をうまく活用しながら、人口減少時代にも持続可能な都市構造への再編に向けた取り組みを一層推進することが求められている。

 

 

コンパクト施策推進上の課題解決に向けたアバンアソシエイツの姿勢

 都市計画やまちづくりにおいて約30年に及ぶコンサルティングの実績を有する当社は、都市構造上の課題分析、目指すべきまちづくり方針に係る住民合意形成、地域拠点整備方針の検討、地域拠点の活性化に向けたエリアマネジメントの推進等、自治体によるコンパクト施策推進に必要となるサービスを、施策プロセス全体も視野に入れつつ、各自治体の実情に合わせて柔軟に提供できる体制を整えている。
 とくに、コンパクト施策の根幹となる立地適正化計画の策定においては、現都市構造への危機感醸成、コンパクト施策の有効性への住民等各ステークホルダーの理解増進等を通した合意形成、経済的イン センティブ等の誘導施策策定等、計画策定にあたり難易度の高い諸課題の解決に向けた自治体による 取り組みを、当社の多様な提供サービスでサポートしてゆくことを目指している。

 

立地適正化計画の策定プロセスとアバンアソシエイツの提供サービス

 コンパクト施策の根幹となる、立地適正化計画の策定プロセス(下図)では、「総論賛成・各論反対」に 陥ることが最も危惧される。よって、これを回避し、質の高い施策を推進する必須要件として、住民説明を通した理解促進や計画案に対する意見等聴取を行い、ステークホルダーによる合意形成へとつなげることが挙げられる。ただし、その効果的な推進方策については実績も少なく、未だ確立していない。
 そこで当社では、下記AからHの要素技術や関連実績等を活用したサービスを提供し、上記分野での取り組みも重視しつつ、策定プロセス全体にわたる円滑な推進につなげることを目指している。

 

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 世界に類を見ない人口減少社会に突入している日本では、資源、財源、人材等の限られたリソースの賢い配分に向け、これまで以上に、長期的視点に基づく計画の重要性が増しています。今回取り上げたコンパクト施策でも、地域の生き残りに向けて住民自らが当事者意識を強く持ち、皆で地域の中長期的な将来像を描けるよう、様々な場面にてお手伝いをさせていただけますと幸甚です。

(森 正史)

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