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アバンレポートAVANT Report

2019.12.10

AvantReport_AR031

アバンアソシエイツの渋谷まちづくりへの関与

 東京において、今まさに変革が進行している副都心の一つが渋谷である。2005年12月、政府は国際競争力のある都市拠点の整備を目指し、都市再生緊急整備地域の一つとして渋谷駅周辺地域を指定した。これを受け渋谷区では中心地区を先行エリアと定め、まちづくりの将来像「まちづくりガイドライン2007」及び「まちづくり指針2010」を策定、2012年の渋谷ヒカリエ開業を端に、2027年迄を予定する渋谷駅周辺の大型再開発は、東京五輪を控えた今秋、再開発ビルの開業ラッシュで大きな節目を迎えた。
 当社は2014年に現在の赤坂に移転するまで、20年以上にわたり渋谷にオフィスを構え、日々まちの変化を感じながら、渋谷のまちづくりとも深い関りを持ってきた。今日でもその関係は継続しており、激変する景観とともに、変わってゆく生活空間の、新たな可能性について試行錯誤を続けている。

 

地域に根ざした活動への参加“shibuya1000”の活動10年

AR031_a 当社が渋谷に転入した1993年の翌年より、都市計画や建築分野などの有識者を交えた渋谷研究会を開催、渋谷の将来像について多面的な議論を重ね、現在の渋谷のまちづくりに微力ながら影響を与えてきた。以下に紹介する「shibuya1000」の活動もそこから派生した実地活動の一つである。渋谷に居を構えていた当社は、2008年より渋谷駅中心地区まちづくりのキーマンでもある内藤廣氏(建築家/東京大学名誉教授)が実行委員長を、そして岸井隆幸氏(日本大学理工学部特任教授)らが副委員長を務める「shibuya1000−シブヤアートプロジェクト」の企画運営を行う事務局としての活動を継続している。この活動は公民連携まちづくりのプラットフォームの布石となることを目指した情報発信型まちづくりで、ソフト活動により地域価値を高めようとする試みである。

 渋谷には30を超える多種多様な地区・組織が存在しており、それらをネットワーク化することで、渋谷らしさ(生活文化をリードする拠点となること)を実現することを目標としている。当初5年は副都心線開通や東横線直通化、渋谷ヒカリエ開業などに伴い変化を続ける渋谷AR031_b駅コンコース等の公共空間を活用して「人」をテーマとしたアートイベント等を開催、その後の5年は渋谷の魅力と変わりゆく街の可能性を多様な立場、多様な切り口で共有するトークイベントを開催するなど、多様な分野の人々との交流を通して渋谷の魅力について探求してきた。2019年には10年間の活動を総括して記念書籍”しぶやぶし”を出版、併せて出版記念のトークイベントを開催した。これら渋谷で積み重ねた地域活動の経験をもとに、竹芝地区や羽田空港跡地第1ゾーン等々、鹿島が推進する数多くの開発事業において、新たなまちづくり・エリアマネジメントに携わらせていただいている。

 

 

 

渋谷区内における地区まちづくりへの貢献

AR031_d 渋谷におけるまちづくり活動や研究会活動を関係する方々と行っているなかで、渋谷区より再開発等の気運がある地区に対し、地元のまちづくりコンサルタントとして協力が出来ないかとの打診があったことがきっかけとなり、「渋谷道玄坂周辺地区まちづくり協議会」へのまちづくりの専門家としての派遣が2008年よりスタートした。
 2009年には、笹塚駅南口地区における地区計画等策定業務を競争入札により落札し、受託者に選定された。同地区における業務は3か年継続し、2011年度に地区計画が都市計画決定、その後開発が行われた「メルクマール京王笹塚」(21階建の商業業務住宅複合ビル)は、鹿島が施行者となり、また事業面におけるサポートも行なって2014年度に竣工した。
 以降、渋谷区からの業務に継続的に係ることとなり、2012~14年度は笹塚駅南口地区に隣接する笹塚一丁目東地区における地区計画の策定、2015~17年度においては富ヶ谷二丁目地区における用途地域変更、地区計画等の策定を行い、それぞれ予定通り受託期間の最終年度において都市計画決定を行っている。また、渋谷駅中心地区では現在、国道R246南側に山手線に沿って広がる桜丘口地区の再開発においても、鹿島JVによる工事が2023年度の竣工に向けて進められている。

 

次なる新たなまちづくりへの関与

AR031_e 一方、渋谷駅周辺におけるまちづくりでは、行政による働きかけもあり、周辺地域へと放射状に繋がる地区に向けて連鎖的にまちの更新が拡がりつつあり、幾つかの地区では地権者組織等による検討が活発に進められ、次なる再開発の機運が着々と醸成されている。
 前出の「渋谷道玄坂周辺地区まちづくり協議会」との関わりは、専門家としての派遣から始まり2008年以降、足掛け12年にわたり継続し、当社がコンサルタントとして関与するかたちで地区計画の地元の案がとりまとめられ、2019年11月に渋谷区へ提出された。その提案内容を基に現在渋谷区にて道玄坂二丁目地区における地区計画等の策定・都市計画決定に向けた手続きが進められている。同地区では、再開発の構想など地区の更新に向けた動きが複数箇所で活発となっており、アバンアソシエイツは、地域における将来像づくりや、合意形成も含めたまちづくりのルール策定に向けての支援等を行うことで、地元、事業者、行政等地域に係わるステークホルダーが上手く連携しながら進んでいくよう、「Think and Do Tank」の機能を発揮しながら、道玄坂周辺地区および渋谷エリアのまちづくりを今後とも積極的に後押ししていく。

 

 

 (平方啓介、松下幸司)

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