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2025.09.30 お知らせ

【KCITY-M®データ分析】長岡市との協定調査研究が今年度のステージへ

長岡市とアバンアソシエイツは、2024年3月に『長岡市の防災に係る避難施設に関する協定書』を締結し、昨年度の協定調査研究では、避難施設群の領域分析や避難行動のシミュレーション等で高度なオリジナル分析を提供して具体的な成果が得られています。きっかけは2023年に内閣府(防災・防災計画担当)から市へKCITY-M®技術を紹介いただいた経緯によるもので、その昨年度の成果をもとに、今年度の調査研究委託業務を9月より開始いたしました。

 

協定調査研究(2024年度)の成果概要

①避難施設群の領域分析:
 市全域で200を超える洪水の指定緊急避難場所について各カバー領域を道路ネットワーク解析から特定。各施設について道なり距離別の領域分布人口、およびハザードマップ浸水ランク別の領域分布人口を、人口データ2020年より算出して提供しました。
…《実施方法》KCITY-M®基本機能をアレンジして適用

②避難行動のシミュレーション構築:
 信濃川と支流および内水の氾濫が重なる洪水時を対象に、広域避難の人車流シミュレーションを開発。長岡市マイタイムライン(行動計画)の有効性や、各施設の避難者数(負荷分担)を検証し、被災者数や避難者数を抑える今後の対応について検討しました(徒歩と車避難の選択、平常時まちづくりの観点)。
…《実施方法》人流分析機能を持つ汎用ツール「S4システム」と連携し、NTTデータ数理システム社と共同開発
アバンレポート045参照

③持続可能な人口・施設環境の形成に向けた準備検討:
 人口減少期には公共施設を単に削減する(→地域が衰退してしまう)のではなく、市全域の人口分布に応じた「全体最適な数と再配置」で施設集約を実現する必要があります。そうして得られる各集約拠点の機能とコミュニティを強化して、人口減少に歯止めを掛けていく長岡市の将来形について、準備的なシミュレーション検討を実施しました。
…《実施方法》KCITY-M®機能を拡充して更新

 

長岡市 危機管理防災本部 危機管理監 入澤義和様よりコメント

『我々の使命は市民の皆さんの命を守ることです。そのために避難行動をどうすべきか、情報発信を常日頃から行っていくことが大切です。
また、人口減少・高齢化が進む山間地域では、どうやってコミュニケーションを維持し、災害に備えていただくか課題の一つとなっています。
課題解決には、我々だけではなく、防災分野で新しい知見やノウハウを持つ民間企業の力を借りながら取り組みたいと考えており、今回の調査研究に注目しています』

 

 

協定調査研究報告書の受渡し
(右:長岡市 入澤義和危機管理監様
左:アバンアソシエイツ 谷口知史部長)

 

 

 

 

 

今年度の調査研究では、最新オープンデータ(ex.今年2月に国土交通省国土政策局がリリースした詳細な将来人口予測データ)の活用が長岡市より要請されています。本分析用に高度なプログラム処理をリリースデータに施し、地震や土砂災害を対象に、避難施設群の領域分析を将来人口で実施するとともに、避難行動や将来持続化に向けた分析の組立てにも役立てていく予定です。

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